voice

カットで創る。まるでシートのようなアセテートフレーム。

ペラペラで軽い。ただし光学性能は損なわない。
まさに挑戦と呼べるもの創りの集大成です。

tonysame:japan 細井 礼

トニーセイムジャパン代表取締役社長。
視力は良いものの、地元の眼鏡店で出会ったメガネに惚れて購入したことがきっかけでこの世界へ。高校卒業後はアジアを中心とした世界を旅する。35歳3児の父。最近の趣味はFPVドローン

tonysame:japan 高木 亮輔

1998年にキクチ眼鏡専門学校に入学し、眼鏡セレクトショップでのアルバイトを開始。卒業後の2002年眼鏡フレームメーカーに就職し、11年間勤務。2013年にトニーセイムジャパン入社。直営店勤務、営業を経て現在は商品企画を担当。



お疲れさまです。

お疲れさまです。

今日はバーチカルアセテートライトについてです。
バーチカルアセテートライト、一言で表すならなんでしょうね?

表向きには「挑戦」ですね。

表向き?
何か他にあるんですか?

あくまで内向きにですが「アンチテーゼ」です。

なるほどね。ただここで言っちゃうと表向きになっちゃうし説明しないといけなくなるよ?笑

わかってます。あえて言いました。

バーチカルアセテートライト新型 TS-10684 ¥25,300
手前から449 ブルーササ 450 ブラック・ブラウンササ 451 レッド・ダークブラウン 452 カーキササ・グリーン・カーキ

そうなんだ。じゃあ今日は高木さんに語ってもらおう。
まずは「挑戦」から。

メガネを作る上で、私たち企画者と
生産者である工場さんとでは常に「良い意味」での戦いがあります。

はい。わかります。

私たちとしては創りたいメガネの形がある。ただ、工場さんとしてはやったこともないし、これまでの常識では「やってはいけない暗黙のルール」みたいなものもあります。

そこに挑んでいかないといけないわけですね。
具体的に言うとバーチカルアセテートライトの「挑戦」とは?

ずばり「薄さへの挑戦」です。デザインによって様々ですが、大体2mm前後まで削りだしています。そうすることによってとにかく軽いフロントを実現しています。
バーチカルアセテートライトの場合、何社かからは「プラスチックのみのフロントで2mmでは切れる可能性があるし、誤差の許容範囲が狭くなり、歩留まりが悪くなるから」と言う理由でNGが出ています。

それを「切れないバランスを追求するための挑戦」を共にやってくれる工場と組む必要があると。

はい。実際昨年のモデルでは、表側のカットと裏側のカットの位置のバランスが若干ずれて上がったことがあり、検品を通すことができませんでした。ただ、そんなことがあっても良いメガネを創りたいという工場の熱意で、数ミリの調整を行って、なんとか生産することができました。

もちろんこういったことは起きないに越したことはないけれど、そうして出来上がるバーチカルアセテートライトには素晴らしい魅力がありますからね。

はい。とにかくこの軽さ、そして薄くすることによって光の透過率が上がり、アセテート生地の色柄をより活かすことができると思います。

TS-10191R-317
TS-10191R-435 グレーササ/ブルー/サックスブルー(新色)
TS-10191R-436 ワイン/ライトレッドササ(新色)

TS-10191R ¥22,000

先日ご紹介したアセテートライトと同じ理屈ですが、バーチカルアセテートライトはその名の通り、垂直方向=奥行きが薄いので、正面からはプラスチックの表情がはっきりわかる。

はい。これも他社とは違う個性の表現になっています。

さて、では「アンチテーゼ」とは?

バーチカルアセテートライトの1stコレクションを発表した2015年当時を思い出していただきたいんですが、低価格のメガネ市場で樹脂のフレームが爆発的に普及して、テレビCMなんかでも「軽い、柔らかい」みたいな感じで、フレームがブリッジからグニャグニャ曲がってるようなものがたくさん出ていました。

はい。はい。

もちろん、そういったものが全てダメだと言うつもりはありません。ただ、弊社としてはブリッジはきちんと強度を確保して、光学的に安定させると言うのが基本的な考え方です。

あくまで「私たちならこうする。」と言う意味でのアンチテーゼです。

はい。そこで私たちは、「私たちも圧倒的に軽いフレームを作ろう。ただし、光学的には安定したものを。そしてできれば発色の美しいアセテートで。」と考えたわけですね。

はい。光学的な安定性を確保するために、2mmの薄さを6mmの生地から削りだしています。つまり場所によっては2/3を捨てていることになります。

鯖江の職人さんに「よくこんな勿体無いことしますね」って言われたことあります。

ただ、そうすることによって、ブリッジとその脇、そして一番外側の部分には6mm弱の厚みを残すことができます。
これで、フロントの強度が出て、フロントが安定します。

モデルによってフロントのカットも変えてバランスとってますし、オリジナルの機能性パーツ「リガメント」をテンプル組み込んで、さらにフロントへの負担を減らしています。

プラスチックモデルのリガメント フロントへの負荷を防ぐためにベータチタンによって柔軟性を持たせている。
メタルテンプルモデルのリガメント テンプルに硬さがあるため、それに合わせて硬めの設定に

もちろん他にもたくさんのポイントがあるのですが、それら全てを真面目に作って、オールアセテートで20,000円、メタルテンプルで23,000円です。

今の眼鏡業界全体において決して安いメガネではないかもしれないですが、価格以上の価値は感じていただける設定だと思います。

弊社にはより高価格のラインアップも沢山ありますが、こちらのシリーズにも同等、ある意味それ以上の情熱のこもったメガネです。

このvoiceを通じて皆さんにこの想いが伝わるといいですね。

tonysame: 2020SSコレクション
バーチカルアセテートライトシリーズ

TS-10684 53◻︎16 天地34 ¥25,300
TS-10191R 50◻︎19 天地36 ¥22,000