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DIP デザイナーズインビテーションプロジェクト

2019年からスタートしたデザイナーズインビテーションプロジェクト。
今回はそのプロジェクトの根底の思いについて…

tonysame:japan 細井 礼

トニーセイムジャパン代表取締役社長。
視力は良いものの、地元の眼鏡店で出会ったメガネに惚れて購入したことがきっかけでこの世界へ。高校卒業後はアジアを中心とした世界を旅する。35歳3児の父。最近の趣味はFPVドローン

tonysame:japan 高木 亮輔

1998年にキクチ眼鏡専門学校に入学し、眼鏡セレクトショップでのアルバイトを開始。卒業後の2002年眼鏡フレームメーカーに就職し、11年間勤務。2013年にトニーセイムジャパン入社。直営店勤務、営業を経て現在は商品企画を担当。

2020年秋の企画が出揃いました。

そうですね。沢山の新企画を発表するシーズンになりますので、お客様には楽しんでいただけそうです。

昨年秋にスタートしたDIP(デザイナーズインビテーションプロジェクト)も第二弾を発表予定です。

こちらのvoiceをご覧の方々の中には第一弾のDIPをご存知無い方も多いと思うので、ご紹介したいな、と。





弊社の中でも、これまでに無い取り組みでした。
そもそも細井さんがこの企画を思いついたきっかけなんかは、ぜひお伝えいただきたいです。

結構長い話になりますが、大丈夫でしょうか…笑

お付き合いいたします笑

トニーセイムジャパンは2017年にリブランディングを行いました。そのあと、今後のブランディングと方向性について色々と考えてきました。

コンセプトは「Connect つながる」を掲げたので、実際にどうやってそのコンセプトをブランディングに反映させるか、ということですよね。

そうそう。
取引先の皆様やエンドユーザーさまとの繋がりはイメージが湧きやすいけど、ものづくりであったり、実際の商品で「connect つながる」を表現するのはとても難しいと感じていたんですよね。

確かに、「つながるもの創り」ってなんだろう?って感じですよね。

そう。しかもそれが業界に何か貢献できれば…みたいなことも考えてました。

それが理想ですよね。

で色々考えたり調べたりしている時に、たまたまイーロンマスクの本を読んだんですよ。

テスラのイーロンマスクですね。



イーロン マスク:南アフリカ共和国出身の実業家。EV (電気自動車)のテスラや宇宙ロケット開発のスペースX社など複数の企業のCEOを務める。

https://ja.wikipedia.org/wiki/イーロン・マスク


そこで彼が「EV(電気自動車)に関する自分たちの持つ特許をすべて公開している」と言う内容を読んだんです。

そうなんですか?なぜ…?

そう思いますよね。普通、特許って自分たちの持つ技術を守るために取得するものですよね?

そうだと思ってます…

ただ彼は自分たちが他社を打ち負かし、EV業界でNo.1になりたいとか、売り上げをあげたいとか、そんなチンケなことは考えていないんだそうです。

彼の目標はただ一つ。「地球上を走る車すべてをEVにして、二酸化炭素排出を減らし、地球を救う。」

どう?カッコよくないですか?笑

スケールが大きいですね…

そう。そのためには、特許は自分たちで抱え込むのではなく、公開して誰でも使えるようにする。そうすることによってEV業界がますます発展し、地球を走るEVが増えていく。そんなことを考えているそうで・・・

なんか圧倒されちゃって、自分もそんな事やりたいって思っちゃったんですよ。

なるほど。

そこで、「弊社のもつテクノロジーや独自のデザインを解放して、もっともっとメガネ業界を楽しくしよう!」と考えました。

そのためにトニーセイム 以外のアイウェアデザイナーとコネクト(つながる)して、新しいデザインを形にしていくことをプロジェクトとしてスタートさせました。

まさにDesigners Invitation Projectですね。

Designers Invitation Project
プロジェクト第一弾には、KAMURO、Seacret Remedy、PADMA IMAGEの3ブランドが参加。

そう。



で、実はここまでがメディアの取材なんかで伝えたことのある内容です。

まだあるんですか?

実はもうちょっと裏話がありまして、、、

ぜひご公開ください笑

イーロン マスクの話を読んだ時に、一つ思い出したことがあったんです。
トニーセイム の創業者三瓶哲男との2012年ころの会話なんですが。

三瓶さんですか。


※三瓶哲男 トニーセイム創業者。アイウェア業界に機能性とかけ心地という概念を持ち込み、自身の手掛けるアイウェアブランドを国内屈指のポジションに育て上げたのち、トニーセイムを立ち上げる。

ちょうど2012年ごろ、アセテートライトのサンプルが仕上がった時に、「三瓶さん、この構造は特許とったほうが良いんじゃないですか?」と言ったんですよ。

アセテートライト 
正面視1mmという圧倒的な薄さを実現するには、特殊な技術と生産工場による秘伝のレシピが必要。

どんな反応だったんですか?

それが、
「特許?とったほうが良いと思う?」と聞かれて、「はい。」と答えたら、「俺はもう特許はいいかなと思ってる。」とおっしゃったんですよ。

これまでは散々特許取ってきた方ですよね。

そうなんですよね。それで理由を聞いたら、
「もしこの構造が良いと思う人がいるんだったら、色々なブランドや人間が取り組んで、喜んでくれる人が一人でも多いほうがいいじゃん。」
とおっしゃってたんですよね。

なるほど。。。確かに先ほどのイーロンマスクの考えに通じるところがありますね。

当時はそれを聞いても「そんなもんかなー」くらいにしか考えてなかったんですが、自分事としてこのブランドをより良いものにしていきたいと言う方向性で考えていた時に、イーロンマスクの本を読んで興奮して、この話を思い出して、DIP のアイデアが生まれたんですよね。

そうだったんですね。創業者の思いも汲んだ内容だったとは、私も知りませんでした。

これまでほとんど言って来なかったので、ここで言えて良かったです笑
長くなりましたが…

次回は実際の商品について色々とお伝えさせていただきましょうか。

そうですね。お願いします。