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tonysame: 折角堂Special Voice

高木 亮輔

1998年に眼鏡専門学校に入学し、眼鏡セレクトショップでのアルバイトを開始。卒業後の2002年眼鏡フレームメーカーに就職し、11年間勤務。2013年にトニーセイムジャパン入社。2022年に独立し、現在はフリーランスの契約デザイナーとしてトニーセイムの企画に携わる。

折角堂 高橋 賢吏

折角堂代表
2005年に眼鏡大手セレクトショップに入社。複数の店舗の立ち上げや店長を経験。2015年折角堂をオープン。様々な分野の職人やショップとコラボイベントの開催や、自ら「七六」というオリジナル眼鏡ブランドを企画販売する。最近はビオワインにはまっている。

こんにちは。久々にVOICEです。

こんにちは。よろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。早速ですが、セルロイドコレクションの折角堂限定モデルTS-10755について、今回はお話させていただきます。

はい。すでに店頭での展開がスタートしていますが、好評ですよ。

ありがとうございます。好評ということをお聞きした時は、ほっとしました。トニーセイムとしては結構冒険したモデルだと思いますので。

確かにそうかもしれないですね。トニーセイムはスタンダードなテイストと機能面や品質の良さでお選びになられるお客様が多いので、そういう観点から見ると、ちょっと意外性があるかもしれないですよね。

実際に掛けてみてもらえれば、良さが伝わるモデルだと思っています。折角堂のお客様にそれが伝わっているのであれば、本当にうれしいかぎりです。

このモデルは折角堂のみでの展開ですよね?

そうです。

いいモデルだと思うのですが・・・。

今回ばかりは、という諸事情がありまして・・・。泣く泣く量産を見送ったモデルになります。ですが、量産と全く同じ工程で作製した数本が量産ロットよりも先のタイミングで入荷していたので、その「数本」を折角堂限定モデルとして取り扱っていただく、という流れになります。

そうでしたか。もう今後は量産の予定はない、と。

残念なのですが、そうなります。

TS-10755をもう少し詳細にご説明させていただきますね。

そうですね。

TS-10755はトニーセイムの中心的なコレクションでもあるセルロイドコレクションの新作・・・として発表する予定だったモデルです。セルロイドコレクションは、セルロイドの素材特性である硬さに着目して、限界まで細くしたフロントデザインが最大の特徴です。一番細いところは正面視で1.5ミリまで細くしているので、掛けて鏡で見ていただくと、この細さはなかなか他のフレームでは見当たらないと思います。かなりスリムなデザインにしているので、物理的な軽さも特徴です。

軽いですよね、このシリーズは。あと、これだけ細いので、外観的にも掛けやすいです。掛ける人を選ばないのも特徴じゃないかな、と。

そう言っていただけるとありがたいです。プラスチックフレームを掛けたいけど、あの太い感じはどうもしっくり来ない、なんて人にはとてもおすすめです。

このTS-10755はレンズシェイプが特徴的ですよね。

はい。そこが今までのセルロイドコレクションではしてこなかった表現で、TS-10755における一番の特徴になります。

いい意味で意外でした。トニーセイムらしくないな、と。ただ、掛けると、やっぱり細身のフロントデザインなので、どなたでも顔に馴染みます。このレンズシェイプ、オクタゴン(八角形)ですよね?

はい。オクタゴンです。ただ、かなり丸みをつけているので、かなりソフトな印象のオクタゴンシェイプになります。

普通、オクタゴンのレンズシェイプだと攻めた感じというか、シャープでエッジの効いた印象になると思うのですが、このモデルは逆ですよね。

一番最初に自分で掛けた時にも、あれ?オクタゴンだよね?って思いましたからね。意図してそうしたのですが、想像以上の顔馴染みの良さがありました。

多角形のレンズシェイプって、眼鏡のレンズシェイプの中で少し変わり種だけど昔から存在するおもしろい立ち位置ですよね。ラウンドやスクエアと同じように昔から存在していて、でも万人が選ぶものではない、という。歴史的には必ず出てくるレンズシェイプですけどね。

そうですよね。このモデルはいわゆるビンテージライクなデザインを狙ったわけではないのですが、眼鏡を歴史的な観点から考えたときに、トニーセイムのセルロイドコレクションに多角形のレンズシェイプがあってもいいんじゃないか、というところから着想したのは間違いないです。でもかなりレンズシェイプはデフォルメしました。オクタゴンでありながら、どなたでも掛けられるフロントデザインを目指した結果、こうなりました、という感じです。

色展開は新色も入ってますよね。

TS-10755-薄黄

はい。浅黄(うすき)深緑(ふかみどり)が新色になります。2色ともトニーセイムとしては珍しい単色になりますが、とてもいい感じで仕上がりました。浅黄は多角形のレンズシェイプということを忘れてしまうぐらい、顔にすごく馴染みます。対して深緑は一見ダークグレーのような深い緑です。でも透明感もあるので、光が当たると緑色をほんのりと感じてもらえます。

TS-10755-深緑

4色展開なので、残りの2色は定番カラーですか?

はい。トニーセイムのセルロイドコレクションでは定番の薄墨笹(うすずみささ)と茶縞(ちゃしま)になります。薄墨笹はわかりにくいのですが柄が結構効いていて、シンプルですが飽きの来ない色です。茶縞はトニーセイムらしい、柄をしっかりと楽しんでいただける色になりますが、細身のフロントデザインなので実際に掛けていただくと柄は楽しんでいただけながらも、うるさい感じは全く無いのが特徴になります。

トニーセイムの色使いは特徴的で楽しいですよね。このモデルでもしっかりとそれが反映されています。

TS-10755-薄墨縞
TS-10755-茶縞

セルロイドの眼鏡というと、どうしても懐古的なイメージがありますよね。トニーセイムではそれを払拭する色展開を意識しています。セルロイド製の万年筆もすごく特徴的な色使いで楽しいですから、セルロイドの眼鏡もそういう観点から楽しんでもらいたい思いでそうしています。

数量が少ないので、貴重なモデルになりますね。

はい。ぜひ折角堂のお客様にはレアな感じも含めて、楽しんでいただきたいです。